『ライ麦畑の真ん中で ~まだ小さなあなたへ~ 』制作秘話

アポロ 公式ファンクラブ

2025/07/25 21:00

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今回は、楽天ミュージックの「次世代メジャーシンガー発掘オーディション」の時から音楽プロデューサーとしてお世話になっている西岡和哉さん(以下、西岡さん)に私アポロがインタビュー!

私の2ndシングルである『ライ麦畑の真ん中で ~まだ小さなあなたへ~ 』について深堀させていただきました!

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『ライ麦畑の真ん中で ~まだ小さなあなたへ~ 』制作秘話

第一部:現場で生まれた「音楽の魔法」

第二部:「熱意」を伝えるレコーディング

第三部:オーディションから今まで ー「歌心」とは?

※以下、アポロ2ndシングル『ライ麦畑の真ん中で ~まだ小さなあなたへ~ 』については『ライ麦』と記載します

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第一部:現場で生まれた「音楽の魔法」

アポロ:今回『ライ麦』の編曲(※)を行う中で特に意識された点はどこでしょうか?

西岡さん:こんのひとみさんが作詞作曲された曲を編曲するということで、原曲のもつ「童謡の美しさ」を大切にすることを意識しました。
童謡って、日本人が生まれながらに持っている、ブルースのようなものだと思うんです。子供の頃から自然と耳にしているリズムや音階が、どこか懐かしく、心に響く。童謡のもつゆったりとした心地よさや、どこか懐かしいメロディを損なわないように、激しい転調や過度な装飾は避け、シンプルで美しいアレンジを目指しました。

アポロ:最初にデモ音源をいただいた時、なんだか懐かしいような気持ちになったのをよく覚えています。「童謡の美しさ」を大事にされていたからなんですね。
実際にレコーディングをする際、生楽器の演奏者の方がいらっしゃったのもすごく印象に残っています。

西岡さん:そうですね。生楽器には、打ち込みでは決して表現できない、独特の温かみや深みがあるんです。今回の『ライ麦』では、特にヴァイオリンとアコーディオンの音色にこだわりました。

アポロ:私も現場で生楽器の音色を聴けてうっとりしました。

西岡さん:最初は、ドイツの街角のような雰囲気をイメージしていたんですが、アコーディオン奏者の横内伸也さんがフランスのパリの街角のような雰囲気も出せると言ってくださって。実際に演奏していただいたところ、想像をはるかに超える素晴らしい音色で、急遽アレンジの方向性を変更することにしました。

アポロ:現場で音を聴いて、アレンジの方向転換をされたんですね。こういうことってよくあるんですか?

西岡さん:アレンジャーとして30年近くやってきましたが、楽器がここまで楽曲の方向性を変えてしまう経験は初めてでした。童謡の雰囲気とパリの街角のようなお洒落な感じが絶妙に組み合わさって、お洒落だけどどこか懐かしさを感じるような。
本物の楽器が持つ力、そしてそれを演奏する奏者の技術や感性が、楽曲に新たな命を吹き込んでくれたんです。何より、レコーディングめちゃくちゃ楽しかったですね!

アポロ:まさに、音楽の魔法ですね。私もひとつずつパズルのピースがその場ではまっていくようで、すごく楽しかったです!音楽っていいなあと思いましたね。

 

※編曲:作曲で生まれたメロディーにさまざまなアレンジを加えていくこと
楽曲全体の構成づくりや、どんな楽器を使用するかなど曲の印象に大きく関わる部分を担う作業

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第二部:「熱量」を伝えるレコーディング

アポロ: 今回のレコーディングで特に意識された点はありますか?

西岡さん: 今回は、楽曲全体を通して1つのストーリーがある楽曲でした。
なので、細切れに録音するのではなく、最初から最後まで通して歌う、いわゆる「1本録り」の手法を取りました。

アポロ: 以前までの録音だと1番、2番と分けて録音することもありましたが、確かに今回は最初から最後まで続けて録音しましたね。

西岡さん: そうですね。この曲から強いメッセージ性、熱量のようなものを感じたので。部分部分で細切れに録音するのではなく、1本録りにすることで、楽曲全体の熱量を高め、聴く人の心に、より深く響く歌を歌うことができるんです。

アポロ:「私がいることだけ覚えていて」というフレーズは、特に印象的なフレーズですよね。1本録りをご提案いただいたからこそ、歌いまわしや込める想い=熱量を曲の展開、物語と連動させられたんじゃないかと思います。

西岡さん: ええ。面白い会話って、熱量があるじゃないですか。たとえ同じ内容の話であっても熱量がある方により強く引き込まれてしまう。
歌も同じなんです。アポロさんの美しい声と熱量が合わさるからこそ、聴く人は感動するんです。

アポロ:ありがとうございます。それからもう一つすごく印象的だったことが!サビでコーラスをあえて“重ねない”選択をとったことです。実際現場でコーラスを重ねてみたら「これは違うな」となったのにびっくりしました。

西岡さん:僕は楽曲制作の際、基本的にはかなり沢山コーラスを重ねるんです。しかしこの曲に関しては、歌詞が持つ「熱量」を活かすためコーラスはあえて入れないでメインの歌一本で勝負!という形になりましたね。
コーラスを入れると確かにハーモニーとしては美しいけど、ハーモニーの方に意識がいってしまって、歌詞のメッセージが弱まるんです。

アポロ:引き算の美学ですね…音楽は本当に奥深いです。

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第三部:オーディションから今まで -「歌心」とは?

アポロ:楽天ミュージックの「次世代メジャーシンガー発掘オーディション」当初から、西岡さんには音楽プロデューサーとしてお世話になっています。当時から比べて、西岡さん的に私の歌で変わったなと感じるところがあったら、是非教えていただきたいです。

西岡さん:一つ大きなものを挙げるなら「歌心」ですね。 最初にアポロさんの歌声を聴いたのは歌ってみたアプリの審査の時でした。正直、その段階ですでに、基本的な声質、ピッチの正確さなど、歌唱力そのものが非常に高かったんです。ただ、その段階では、まだどこか借り物のような、表面的な表現に留まっているような印象を受けました。
しかし今のアポロさんの歌声には「歌力」のようなものが備わっているのではないかと。

アポロ:なるほど、「歌力」… 西岡さんは、歌心とはどのようなものだとお考えですか?

西岡さん: 「歌心」には、2つの要素があると思います。1つは、歌手自身が持つ、技術を超えた表現力です。例えば、ロングトーンやビブラート、しゃくりなどのテクニックは、歌を魅力的にするための手段ではありますが、それだけでは「歌心」とは言えません。本当に「歌心」がある歌い手は、そういったテクニックを意識することなく、自然に感情を表現し、聴く人の心に直接語りかけてくるような歌を歌うことができるんです。これを届けたいんだー!という想いが歌から伝わってくるような。

アポロ:ただ技術的に優れている、というだけでなく、そこに想いがのっているか、伝わってくるか、というのが大事なんですね。

西岡さん: そして、もう1つの要素は、聴き手との共鳴です。歌い手が、自分の内なる感情を込めて歌った歌を、聴き手が心から受け入れ、共感した時、そこに歌心が生まれるんです。例えばコンサート会場で、歌い手と聴衆が一体となる、音楽を通して心を通わせるあのほんの一瞬。あの特別な瞬間です。

アポロ:まさに音楽でその場が、全員の鼓動が一つになるような…あの瞬間ですね。
前作の『今、僕は僕のことを好きでいられるんだ』でピアノの演奏をいただいた、吉川正夫先生の下で音楽指導いただいたことも、大きく影響していると思います。

なぜ歌うのか?歌うことで何を伝えたいのか?歌に対する向き合い方が変わりました。
まさに仰っている「歌心」を無意識のうちに考えるきっかけになったのだと感じます。

 西岡さん:吉川先生との出会いは、アポロさんにとって、まさに「本物」に触れる機会だったと思います。吉川先生は、長年童謡の世界で活躍されてきた、まさにプロ中のプロです。その吉川先生の指導を受けることで、アポロさんは、表面的な上手さだけでなく、内面から湧き上がるような、「本物」と言えるような表現力を身につけたんだと思います。

アポロ: 「本物」の表現力、ですか。

西岡さん: ええ。吉川先生との出会いを通して、アポロさんの歌は、「コピー」から、魂を込めた「自分の表現」へと昇華したんですよ。

アポロ:毎日自分の歌と向き合っているので、自分だと変化に気づかないのですが、ずっと音楽プロデュースいただいている西岡さんにそう言っていただけるのは嬉しい限りです。変わらないようで、少しずつ変わり続けていたんですね。これからも音楽、やっていきます。

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というわけで、アポロ2ndシングル『ライ麦畑の真ん中で ~まだ小さなあなたへ~ 』の制作秘話、いかがでしたでしょうか?

私もインタビュ―させていただいて、改めて勉強になったり、楽曲をじっくりと広い視点で見つめなおすことができました

是非楽曲リリースの前後で読んで、楽曲をさらに深く楽しんでいただければ嬉しい限りです!

 

<アポロ>

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